最初のコンピューター将棋大会

AI
コンピューター将棋ソフトが作られるようになると、ソフトだけの大会を作ってみようという人が出てくるのは自然の流れなのだろう。週刊読売がパソコン棋士十段戦を作って連載していた。十段戦というのは、読売新聞社が当時主催していた棋戦で、そこから名前が取られている。出場する「パソコン」棋士と対戦成績は次のとおり。
ファミコン 3勝
森田将棋 3勝
将棋狂 1勝
名棋士 1勝2敗
MSX将棋 0.5勝1敗
棋太平 0.5勝2敗
飛車 3敗
これだけの数の将棋ソフトが集まったというのに驚き。ファミコンやMSXというハードウェアの名前がいかにも1980年代らしい。目の前の記事は、森田将棋と棋太平との対局だ。


後手4二銀で第1図。ここまで指すと、後手の狙いは、とにかく王をカニ囲いに入れることだったことがわかる。
(中略)棋太平は、3四歩と角道を開けたので、先手から2二角成りと角を交換されてしまう。棋太平は、「MSX将棋」との対戦でも、この形から角道を開け、自ら形を乱している。これは損だ。(「週刊読売」)



com10dan.jpg
この頃のソフトの実力がなんとなく見えてくる。ルーティンワークの手しか指せなかったのだろう。当時のコンピューター将棋の説明として、同じ記事の中に次のような文章がある。


将棋は、定跡からはずれると、一手ごとに考えなければならない。
専門用語では「思考ルーチン」と呼ぶが、これが難しいのだ。だから、将棋ソフトは、少々、おかしい手を指すとしても、ソフトウェア全体の中では、それなりのレベルにある。(同上)



ちなみに、勝負は森田将棋の勝ち。途中で棋太平が投了してしまったからだ。将棋ソフトが時折見せる、ボロボロになって詰むまで指すということをしないのが印象的だったそうだ。

この記事へのコメント