河口俊彦「対局日誌」で注目された棋士たち②



芹沢がまた血を吐いたという。
今年になってからの芹沢は、玉手箱の煙りにふれた浦島太郎みたいな有様で、いずれ酒をやめないかぎりこうなることはわかりきっていた。
(中略)ある時、真部と酒を飲んでいてそのことを云うと「そんな心配はむだですね。酒を飲まない芹沢さんなんて、生きている価値がないですよ」という。



将棋棋士には無頼と思われる棋士が一定数いる。今ならば、先崎九段や田村七段だろうか。囲碁には、藤沢秀行というビッグネームがいた。将棋だと、坂田三吉だろうか。
「対局日誌」であまり無頼を取り上げているという印象がなかった。いずれ機会を改めて書くかももしれないが、坂田三吉に対し辛辣なことを書いたのを見たとき、意外に映った。「こんなこと書くんだ」そう思って眺めた記憶がある。無頼派と呼ばれるような棋士に対し、河口八段はどのように見えていたのだろうか。
芹沢九段は、河口八段に親しい棋士である。芹沢九段以外にも、米長永世棋聖、桐谷七段辺りも親しい棋士に当たるのだろうか。よく「対局日誌」
目にする顔ぶれである。芹沢九段についてのエピソードもまた「対局日誌」にも多い。芹沢九段だから書いたのだろう。このような生臭い話を見て、そう言えば無頼についてあまり触れていないのではと気になってしまった。

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