河口俊彦「対局日誌」で注目された棋士たち④

羽生二冠は特別な存在である。
今更なことだが、デビュー時の注目度という意味でずば抜けていたという点でだ。以前、中学生棋士の取り上げ方を見てきた。四段時から大きく取り上げられていたわけではない。それでも加藤九段から後の時代になるにつれ、扱われ方がだんだんと大きくなっていった気がする。
「対局日誌」でも、羽生二冠がデビュー時から取り上げられていたことがわかる。


新四段・羽生の前評判はすごい。今日がデビュー戦だが、毎日グラフ、フォーカスが取り上げたのだからたいしたものだ。フォーカス誌に書いてあった。「天才は忘れたころにやってくる」。



将棋雑誌以外でもニュースになったというのが、時代なのだろう。確か羽生二冠が五冠・六冠時の取り上げられ方も、以前と比べて大きくなっていた。羽生さんだからというより、大衆メディアがさまざまな題材を取材するようになったというのが、実情ではないだろうか。フォーカスのインタビューに、河口八段はこう答えたようだ。


フォーカス誌の取材に「甲子園の優勝投手みたいに完成されていて、荒けづりの魅力がない」という意味のことを言った。同じことを中村や森下がデビューしたときにも言ったような気もする。最近の若手棋士、勝ち方をよく知っている、という点が共通しているのである。



将棋の中終盤の指し方をまとめた『米長の将棋』や『逆転のテクニック』はすでに出版されている。谷川九段の『光速の終盤術』はまだない。『米長の将棋』は、羽生世代の棋士が若手時代に勉強していたようだ。将棋の勉強は棋書だけではない。それでも『米長の将棋』のような中終盤に関する棋書が、若手棋士に及ぼした影響が大きいとみるが、どうだろう。

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