金子金五郎が唱える将棋教育と思想④

2017/12/08 20:00
前回の記事で書いた見立てがもっともらしいのか確認するため、「金子教室」の別の記事を探ってみたい。今度は、升田対大山の名人戦挑戦者決定戦より。 大山は腰掛け銀では升田、木村にはほとんど勝っていないほど不得意だ。この原因を質的に探ってみたい。 刺激的な書き出しである。単なる棋譜解説にとどまっていないことは言うまでもなく、トップ棋士を分析してみせようというのだ。河口俊彦八段が中原名人に対しては控えめな書き方になっていると以前書いた。なかなか名人をトップ棋士でない..

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金子金五郎が唱える将棋教育と思想③

2017/12/07 19:00
金子金五郎九段による「金子教室」が単なる棋譜解説から、物語性を出していることは前回述べた。この物語性の傾向が、さらに強くなる。「金子教室」に登場する一流棋士が金子九段によって手際よく分析されるのだ。梅田望夫さんも金子九段についてはいろいろとブログで言及している。が、それらを参照せずに先入観なしで「金子教室」に目を通してみたい。 二本柱ともいうべきか、心理面と論理面での分析が目につく。まずは心理面の分析から。取り上げるのは「金子教室」での升田九段と木村名人との名人戦での対局。..

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続・金子金五郎が唱える将棋教育と思想

2017/11/29 19:00
河口俊彦八段にしてもそうだが、文体というのは試行錯誤を通じて形成されていくんだと感じる。最初から名文なんて書けるんじゃない。文章を一日書かないと文章力が落ちると言った作家がいたと、最近本で読んで知った。まるで筋トレのようだ。確か詰将棋についても同じようなことを言った棋士がいたような。 ともかく、金子金五郎九段である。初期の金子教室は、指し手の解説が中心だった。背景にあるロジックを意識しているのが印象的に映った。これも実験的になされたのかもしれない。文章を仕上げるときにロジッ..

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金子金五郎と山田道美

2017/11/14 19:43
山田道美九段は金子金五郎九段の弟子である。といっても、金子九段は群馬の高崎市で住職をしている身分だった。代わりというのも変だが、京須八段が第二の師匠ともいうべき存在だった。 金子九段への関心を促したのは、梅田望夫さんの著書やブログである。金子九段の文体には、思想性・哲学性が醸し出されていた。他方、山田九段について言うと、最初は金子九段の弟子とは知らなかった。だが山田九段の文章を通じて、その真摯さに心を打たれた。A級に在籍する棋士が、雑誌紙面上でアマチュア向けに講義をするのだ..

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金子金五郎が唱える将棋教育と思想

2017/11/12 20:00
金子金五郎といっても、知らない人のほうが多いであろう。のちに14世名人となる木村義雄と名人位を争っていた棋士のうちのひとりである。15世名人が大山康晴で、その前の永世名人である。大山さんですら亡くなって25年経つのだから、その一世代前の棋士を知ってるという人は少ないんじゃないだろうか。 ともかく金子金五郎九段は、将棋雑誌である近代将棋で長年「金子教室」という連載をもっていた。一局とりあげて、それを解説するというスタイルをとっていた。「シリコンバレーから将棋を観る」でも書かれ..

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