全冠制覇はどのように報道されたか⑥

2018/01/04 22:00
将棋雑誌以外で、トップ棋士が数多く取り上げられるようになった理由はなんだろうか。 羽生さんが将棋界で最初に一般紙で多く取り上げられた存在と決めつけるのは早い。大山15世名人が五冠失冠時に週刊誌に取り上げられたこともある。ほかにも探せば、中原、米長、谷川といったトップ棋士が出てくるだろう。しかしトピックを絞って考察してみると、やはり羽生さんが一番最初なのかなと思ってしまいたくもなる。 羽生さんが五冠王になったときに『潮』という雑誌でインタビューを受けている。記事を書いたのは..

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羽生善治という奇跡

2017/12/31 19:00
「全冠制覇はどのように報道されたか」という見出しで、どのように雑誌で取り上げられてきたのかを見てきた。羽生二冠の頃になってようやく、複数冠が大きく取り上げられるようになった。これが自分なりのささやかな結論だった。 いや待てよ、見過ごしていることがあるのではないか。過去の雑誌の記事を見ながら思い返してみた。あることを見落としていた。 全冠制覇というのは、大山や中原といった第一人者だけに与えられていた特権のようなものだった。それもそのはず。全冠制覇は、当然のことながら名人位も..

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全冠制覇はどのように報道されたか⑤

2017/12/19 19:00
羽生さんと大山・中原といった歴代の第一人者と何が違うんだろう。羽生フィーバーと呼ばれるくらい、七冠達成前夜は盛り上がった。将棋関連以外のメディアが取材を行なっていた。これは、最近の藤井聡太ブームにも近いものがある。対して、大山・中原両永世名人は、将棋雑誌で取り上げられるに過ぎなかった。正確に言えば、大山15世名人が五冠から陥落したときに、週刊誌に取り上げられたりしている。とはいえ、将棋メディアが中心を占めていた。いつから変わったのだろう。 やはり六冠というのが大きい。だれも..

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全冠制覇はどのように報道されたか④

2017/12/18 19:00
これまで記事を眺めていて気づいたことがある。全冠制覇したことについての記事はあったが、全冠制覇できるかどうかという記事はなかったことである。大山15世名人が五冠だった時代は長かったが、全冠制覇できるかどうかということについて異論を差し挟む余地がなかったのかもしれない。それくらい圧倒していたようにも映る。 中原16世名人の場合はどうか?中原自身が告白するように、四冠王から五冠王になるのに時間がかかったという事実がある。第一人者と呼ばれるような棋士でも全冠制覇への道のりは険しい..

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全冠制覇はどのように報道されたか③

2017/12/14 19:58
この見出しで中原16世名人を取り上げるのは、若干ズレているかもしれない。升田・大山・羽生と違い、全冠制覇していないのだ。しかし、中原16世名人が六冠中五冠を保持したこと、六冠目のタイトルである棋王に挑戦していることは事実である。そこで、中原さんについても追ってみたい。 五冠王になったのは、大山15世名人から棋聖位を奪取してからだ。次のようにある。 中原はこれで五冠王。二月十五日に王将位を防衛し現在進行中の「棋王戦」で加藤棋王に挑戦している。これに勝つと「六冠王」と..

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全冠制覇はどのように報道されたか②

2017/12/13 20:00
全冠制覇の価値というのは、タイトル数が増えるにしたがって増してくるように見える。タイトル数が五つになって、ようやく記事にされる対象となったようだ。紹介する記事は、大山15世名人がはじめて五冠王になったときのものでない。三度目の五冠王になったときのものだ。内藤國雄棋聖からタイトルを奪取し、五冠王へ返り咲いたのだ。記事は近代将棋より。インタビューを行なうのは、棋聖戦を主催する産経新聞社の記者だ。 ―五ツのタイトルを独占して、あと目標がないのでは。 名人「とんでもない。..

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全冠制覇はどのように報道されたか

2017/12/11 20:00
今月に入って、将棋界で2つ大事件があった。ひとつは、羽生棋聖が竜王位を奪取し、7つめの永世位を獲得したこと。もうひとつは、Googleが開発する将棋ソフトが2時間の学習で、最強ソフトになったこと。 将棋ソフトについては、何度か記事に挙げたので、羽生さんの永世竜王獲得について、自分なりの祝福の仕方をしたい。ずばり、これまでの全冠制覇について取り上げてみたい。 全冠制覇はそれほどない。升田三冠、大山三冠〜五冠。そして、羽生七冠。中原16世名人も惜しいところまでいったが、五冠ど..

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