将棋雑誌にみる中学生棋士⑦

2017/11/11 20:00
最後は、渡辺竜王である。 渡辺竜王が四段になった2000年になると、加藤、谷川、羽生が全員名人になっている。それだけでなく、過去の例から、中学生棋士が得体のしれない存在というよりは、どのようなキャリアを積んでいくのかについて情報の蓄積ができたと言える。つまり四段になったからといって、すぐにタイトル戦に挑戦するわけではない。 それに加えて、四段としての最初の対局は中学生ではなく、高校生になってからであった。そういう背景もあってか、渡辺さんの昇段が特集をもつまでのインパクトが..

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将棋雑誌にみる中学生棋士⑥

2017/11/06 22:00
10代のときの羽生さんの特集は他の元中学生棋士よりも多い。成績がずば抜けているからだ。「羽生善治、強さの秘密を探る」という特集は、1989年のもの。棋戦優勝だけでなく、将棋大賞という最優秀棋士に選ばれる賞を頂いているのだから、特集にされない訳がない。 では、羽生さんのことを当時の棋士はどう見ていたか。まだこの段階で、タイトル獲得どころか挑戦もない。 谷川名人「彼は局面局面に応じて常に冷静に最善手を指せる。(中略)ただ今の気持ちのままずっと戦うのは不可能ですから。自..

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将棋雑誌にみる中学生棋士⑤

2017/11/04 19:36
羽生さんが中学生になった1985年の時点で、加藤・谷川の元中学生棋士は名人経験者になっている。お好み対局など、企画満載である。今の藤井四段の特集にも通じるものがある。 印象的な企画は、羽生さんに対して心理学テストを行なうというもの。これまでには見られない傾向だ。 羽生さんの天才性を分析したかったのだろう。ロールシャッハ法と呼ばれるテストを受けている。ウィキペディアによると、「被験者にインクのしみを見せて何を想像するかを述べてもらい、その言語表現を分析することによって被..

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将棋雑誌にみる中学生棋士④

2017/11/03 20:15
加藤九段の次に中学生棋士になったのは谷川九段。谷川さんの場合も、小特集というかたちで取り上げられている。印象的なのは、最初にどのようにして将棋を覚えた方法である。 (前略)[谷川九段の父は]将棋をよく知らない。だから百科事典でルールを調べながら兄弟に教えた。今でもその百科事典は「将棋」の項目部分だけ、手垢に汚れて真っ黒だ。([]は補充したもの) 加藤九段が縁台将棋を見て将棋を覚えたのと対照的である。百科事典が家にあったのかどうかわからないが、いかにも住職の..

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将棋雑誌にみる中学生棋士③

2017/11/02 21:39
六段になったあと、再び加藤さんが特集記事になるのは、A級昇級を決めたときである。六段のときは、座談会や棋譜の解説が中心だった。八段までなると、かなり突っ込んだ記事になっている。まず、升田名人(当時)が加藤さんの棋譜の解説が載っている。裏を返せば、八段くらいでないと大山・升田クラスの棋士が総評したりしないということである。升田名人はこう評している。 しいていうなら、「今の調子でゆけば」という前提のもとに、つぎのようにいえるじゃないか。二十歳で名人になるか、二十五、六歳..

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将棋雑誌にみる中学生棋士②

2017/11/01 20:24
加藤九段が将棋雑誌に特集となって登場するのは、六段になってから。将棋世界と近代世界の両方で組まれている。これは、近代将棋の六段時代の座談会からの抜粋である。参加者は加藤六段(当時)、宮田さんという18歳で都名人でなられた方とその父親。そして当時の師匠の南口八段(当時)。近代世界の編集長でもあり、のちにNHK杯の司会でも有名な永井英明さんが座談会の進行をされている。 永井 (前略)将棋はどこで強くなられましたか。 加藤 九州ですね、むこうで、こちらに入って三級だった..

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将棋雑誌にみる中学生棋士①

2017/11/01 19:00
藤井聡太四段が29連勝してニュースで大きく取り上げられたこともあって、過去の中学生棋士がどのようにクローズアップされていたのか気になって調べてみた。 まずは加藤一二三九段から。将棋世界の新人紹介というコーナーより。 奨励会入会後の進級ぶりを眺めてみよう。27年12月入段。28年4月二段。同年12月三段。29年8月四段卒業。丸三年間で6階級昇進の快記録を出している。この調子で薦めば、18才でA級入りする勘定になり、19才挑戦試合。名人。ともソロバンにハジキ出されよう..

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